ここ最近、日本経済新聞から日本の不動産市場の先行きを不安視する記事が複数出始めています。

2024年10月17日【分譲マンション、賃料の伸びに陰り　首都圏3カ月連続下落】
2024年12月10日【マンション投資、売却益は減少へ　「バブル末期と酷似」】
2024年12月10日【マンション投資、薄らぐ妙味東京、取得価格高く差益減少　賃料伸び悩む地域も】

記事の内容については会員限定記事となっているので詳細は伏せさせていただきますが、中々インパクトのある内容です。

「賃貸より売却を重視する傾向はバブル末期とそっくりだ」という東京カンテイ執行役員の言葉や、都内のマンションを5年保有した後に赤字売却になったという個人投資家の「不動産投資で勝てるイメージがわかなくなった」という言葉は今後の投資戦略を考える上で、警戒感を感じずにはいられません。

また、昨今「賃料相場が物件価格の上昇に追い付いていない」と言われている中で、一時期は各地で賃料の上昇がみられていましたが、直近で「分譲マンション賃料、首都圏4カ月連続下落（東京カンテイ）」という記事も出ておりますので、多角的に見ても上昇一辺倒だった不動産市場に陰りが見え始めていることは否めない状況です。

この不動産市況に変化を生じさせた要因の一つに日銀の利上げが挙げられます。
今年3月にマイナス金利を解除してから、市場は当分追加の利上げはないと考えていた中で7月31日にサプライズ利上げが実行され、翌8月1日から株式市場の大暴落が起こったことは記憶に新しいかと思います。

そして、更なる利上げが今月もしくは来月にも実行されるのではないかと言われている状況です。
日銀の「金融引締め路線」が揺るがない中で、異次元の金融緩和を起点として始まった不動産市場の活況に逆回転が生じる可能性も否定できません。

ここ最近は実務ベースでも、先を見越して手仕舞いされている投資家の方々もかなり増えてきておりますが、今まで不動産投資の出口戦略を考えてこられなかった投資家の方も、一度立ち止まって考える時期に来ているのかもしれません。