日銀、マイナス金利解除を決定
日本銀行(日銀)は、2024年3月19日に開催された金融政策決定会合で、「マイナス金利政策」を解除し、金利を引き上げることを決定しました1。具体的には、日銀当座預金に適用する金利を0.1%とし、金融機関どうしが短期市場で資金をやり取りする際の金利「無担保コールレート」を0%から0.1%程度で推移するよう促すとしています。
この決定は、日銀による利上げとしては2007年2月以来、およそ17年ぶりのものであり、世界的にも異例な対応が続いてきた日本の金融政策は正常化に向けて大きく転換することになります。
また、2016年9月に導入し、短期金利に加えて長期金利を低く抑え込んできた長短金利操作=イールドカーブ・コントロールと呼ばれる金融政策の枠組みを終了します。ただし、これまでと同じ程度の国債の買い入れは継続し、長期金利が急激に上昇する場合には、機動的に国債の買い入れ額を増額したり指定した利回りで国債を無制限に買い入れる指値オペと呼ばれる措置を実施したりするとしています。
この政策変更の背景には、賃金の上昇を伴う2%の物価安定目標の実現が見通せる状況になったという日銀の判断があります。ただし、マイナス金利政策を解除しても追加の利上げは急がず、当面は緩和的な環境を続ける方針です。